独りの裸婦が
両手にツボを持ち
中身を注ぎだしている
西洋の伝統で
裸で描かれる男女は
「神」です。
つまり
裸婦=「女神」
ツボから出ている液体は
尽きることはありません。
出しても出しても出てきます。
枯渇という二文字はこのツボにはありません。
常に、供給し続けます。
ここから「豊饒」という象徴を見て取れます。
さて、この液体は
永遠の命をもたらすと言われている
「エリクサー」です。
そして、川のようになって
流れを作っています。
いわば、「永遠の命」の源泉
カードの上の方に
天の星も燦然と輝いています。
ひときわ大きな星が描かれていれば
それは「シリウス」です。
「シリウス」は
古代エジプトではナイル川の氾濫を予期する
予兆として使われていました。
ナイル川の氾濫により、
上流の肥沃な土が
農地にもらたされることになり
(農地は川沿いにあった)
農地は豊かな実りをもたらしました。
このことから
「シリウス」=「肥沃」「豊饒」
の意味合いがあります。
星と地上そして
その間にいる「女神」が
尽きる事のない液体を流している
このことは「天地」が調和していることを暗示しています。
調和していることにより「豊饒」がもたらされます。